振り返れば そこは癒しの空間 思い出とは 長い坂道 立ち止まり 振り向いて その道のりを遠く 眺め見るようなもの・・・。 そして いつでも思い出の景四季は そこから見えてくる。

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“写真の知識・保存編”


はじめに
 写真の色について、皆さんにお伝えすることがあります。これはとても重要なことです。出来るだけ難しくならないように表現して書いていますが、分かりにくいところは、ご了承下さい。難しく感じられる方は、最後の“写真の正しい保存方法”だけでも読んで下さい。それだけでも十分ご理解いただけるはずです。

写真の色
 写真の色はイエロー(Y) マゼンタ(M) シアン(C) の3色から、白以外のすべての色を作ります。この3色のことを色の3原色と言います。パソコンのプリンターでは、色の3原色+ブラック(B) で色を構成しますが、実際には、写真の色に深みを出すために、メーカーや機種によって、さらに何色かの色を加えています。

すべての写真の色は・・・
 写真屋さんでプリントした写真は、色あせしないと思っていませんか? ○○年プリントだから大丈夫・・・。などと安心していてはだめです。ご家庭のカラープリンターはもちろん、すべての写真は、遅いか早いかの違いはあれど、すべての色は、必ずいつかは褪せるものなのです。
 写真屋さんでよく見かける、写真の品質保証の文字、お客さんに写真を渡した時点での品質保証なのか、50年、100年後の品質保証なのかよく解かりませんが、10年後、お店に、色あせた写真を持って行き、クレームを言ったところで、おそらく、何処も何もしてくれません。本来、商品などの品質保証とは、消費者に安心して頂けるように、もし、写真の品質に何か問題があれば、お店なり、メーカーが保証してくれるので安心して下さいと、言う意味に思うのですが・・・。結局のところ写真の管理は自分たちで確りとやらなければいけないということになります。
 
色あせのことを退色と言いますが、それは、どのような現象のことなのでしょうか。簡単に説明すると、写真が仕上がった時点では、色の色素はとても鮮やかなので写真の色は、とても美しく見えますが、年月が経つにつれ、少しずつその色素が薄くなり消えてゆく現象です。右の写真にマウスポインターを当ててみて下さい。夕景の桜の写真も見比べてはじめて分かるのです。色の鮮やかさの違いに・・・。写真の色が、おかしいなと、気付いた時にはもうすでに3原色の色のバランスは崩れ、写真の色はそうとう変わっているはずです。これらは色素の劣化現象で、現像後のフイルム(ネガ、ポジ)にも起こることです。色の変化は見比べる対象がないかぎり、どのくらい退色しているのかを知ることは、出来ません・・・
 次に変色という言葉は、よく耳にされると思いますが、ほとんどの場合、前で述べた退色のことを指して使っている人が多いようです。実際の変色は写真やフィルムのベースとなる物(写真なら白いペーパー。フィルムなら茶色っぽいプラスチック状のセルロース)が、劣化などが原因で色が変化することをおもに言います。
 だから、写真が変色するという言い方も決して間違いではないのですが・・・ ペーパーの変色がはじまり、少しずつ黄ばんで来て、それと同時に写真の色素の退色が起こり茶色っぽくなります。古い白黒写真を思い出して下さい。セピア色した写真のことです。昔の白黒写真に使った紙はすべてバラ板紙といって、ペーパーの表面や裏面に紙質や画像の保護をするためのコーティングが無いものでした。現代の写真のペーパーにはコーティングが施してあるので、このような変色や、表面のヒビ割れなど、私たちがふだん目にする機会は少ないはずです。左のご覧の写真は、古いバラ板紙で、表面がボロボロになっていたものを見やすいように修正したものです。写真の保管に注意していないと、これから先、大切な写真にどの様な現象が起こるのか想像すらできません。そして、
次のことを忘れないように心に留めておいて下さい。お手元の皆さんの大切な思い出の写真は、皆さんが気が付いていないだけのことで、もうすでに退色及び変色は、始まっているのです・・・。

そうなる前に・・・
 思い出の写真を大切にしている人なら、これらの問題(写真の色素は、退色、変色から逃げられない。)を無視することは出来ないはずです。そうなる前に皆さんに何が出来るのか考えてみましょう。

フイルムの管理の仕方
 その前にフイルムの退色、変色について簡単に少しだけ、お話しします。現像後のネガ、ポジの退色については、フィルムは直射日光があたらない場所で、湿気、ホコリなどがなく、室温ぐらいで温度差の少ない場所を選んで保管して下さい。そのような場所に保管すると、ポジは保証は出来ませんが、10年以上は十分大丈夫です。ネガの場合はとても残念ですが、長期保管は期待できません。古いカラーフィルムから焼き増ししてみて下さい。びっくりするような写真が仕上がって来ます。ただし、フィルムの管理によって大きく違って来ますので、フィルムの大切な人は、各自で確りと管理して保管するようにしましょう。一例としまして、密封できるプラスチックの押入れ収納ボックスをフィルムや写真専用として、乾燥剤を入れ、風通しを考えながら使ってみて下さい。
 フイルムを使って焼き増しを考えておられる方は、特に先にも少し述べましたが、湿気とホコリは大敵です。湿気はフィルムにカビが生えたり、ネガアルバム(ネガシート)にフイルムが、くつっいて、シミが残ります。クリーナーで拭いても、手間がかかるだけでカビ、シミの痕はぜんぜん取れません。現像後のフィルムは、とても傷が付きやすいので取り扱いにも十分な注意が必要です。ホコリはフイルムの静電気で吸い寄せられて来ますので、ジャンボブロアなどで吹き飛ばす程度にして下さい。素手でフイルムを触るのは厳禁です。
 焼き増しプリントする時は、
ネガからの焼き増しの注意として、出来るだけ早く焼き増しされた方がよいでしょう。
理由を知りたい方はここへ。次に、ポジの焼き増しですが、ポジの場合は目で見たままに仕上がるので、退色していない限り問題はありません。フイルムをCD−R(フォトCD)にすると、色んな形で写真を楽しむことが出来るのですが、保管のためだけなら、おススメ出来ません。詳しくはこの後の「デジカメデータの保管方法」で記載しておきます。
 次にフイルムの変色ですが、その原因は幾つかあります。そのほとんどはフイルムを現像するまでに起きる撮影者の管理ミスです。まずはフイルムの有効期限は切れるまでに、フイルムの現像を済ませて下さい。(多少、期限が切れても問題無い方が多いのですが、フィルムの乳剤面に亀裂が入って、写真のだいじな部分に黒いゴミのようなものが写り込むことになります。) 保管方法は、未使用、使用済みに関係なく、現像するまでは高温の場所(25度以上)はさけ、プラスチックの容器に入れたまま、保管しましょう。特に梅雨から夏過ぎまでは、冷蔵庫の中に保管して下さい。 暑いクルマの中にフイルムの入ったカメラを置くのはだめです。(夏場の車内の高温はカメラ本体にも悪影響です。) 飛行機に乗る時は必ずカメラごと、未使用、使用済みに関係なく、すべてのフイルムを手荷物に入れ、係りの人に直接、申し出ましょう。変色したフイルムからは、写真の色もまだらになり、コントラストも悪く、良い色は得られません。撮影終了後のフィルムはできるだけ速やかに、現像するように心がけて下さい。

デジカメデータの保管方法
 デジカメの方は次の注意を怠ると大変なことになります。メモリーカードの大切なデーターは、必ずバックアップを取る癖をつけましょう。バックアップをCD−RやDVD−Rの場合、ディスク盤に思わぬ傷が入ったら、大切なデータが取り出せなくなるなど危険が、たくさんありますので、バックアップの予備も必要になります。また、CD-RやDVD-Rのデーターは早めに新しいものにデータを移し替える必要があります。極端に言えば5年〜10年毎に・・・。これをしないと、保存性がないので、知らないうちに大切な思い出のデータは自然と消えて無くなってしまいます。このように5年から10年毎にデータを移し替え続けることが出来れば画像は半永久的に劣化することなく残るでしょう。しかし、これでは管理が大変です・・・。次に、それらの保管場所は光、湿気及び乾燥、熱、温度差の少ないところを選んで下さい。直射日光の熱だけでデータは一瞬に消えてしまいます・・・。それと、10年、20年後に今のデジタルの規格が再生出来る保証が無いので、そのこともお忘れなく・・・。その時は結局、新しい規格にすべてのデータを移し替えなければならないことを覚悟しておいて下さい。と言うことで、大切な写真のデータは、必ず写真屋さんでプリントして、目で見える状態(写真)で、保管するよう、あらためて皆さんにススメておきます。便利で楽しいデジタル技術はこれから益々発展し需要も増え続けることでしょう。しかし、消費者として各個人で気をつけていないと、とんでもない落とし穴にはまる危険があります。画像が消えてなくなってしまってからでは、後の祭りです。そうなってからでは、もう誰も何も出来ません。思い出の価値の大きさについては、普段から各自でよく考え認識しておいて下さい。

写真の保存性について
 さて、ここからいよいよ本題に移ります。前にも述べましたが、すべての写真の色素は退色、変色から逃げることは出来ません。これは、形ある物いつか壊れるの原理に沿っています。インクジェットプリンターの各メーカも保存性については、10年、20年、あるいは30年。さらには用紙とインクの組み合わせによって100年と言っていますが、それらは、決して各メーカーの保証しているものではありません。簡単に言うと、必要な条件がそろわないと100年、持たないということになります。そしてこのことは、街の写真屋さんでプリントした写真にも同じことが言えます。
エコー写真 しかも、2004年までに売れた、ご家庭にあるインクジェットプリンターのほとんどは、カタログによる保存性は、10年、20年の物が大半で、そのプリンターで、実際にプリントして写真を額に入れ、部屋のどこか目立つ場所に飾ったとします。皆さんはその写真がカタログに記載どおり、10年、20年、色が持つと思いますか・・・。答えは当然NOです。退色は想像以上に早く、早い物だと半年もすれば自分の目でも確認できます。読者の皆さんの中にも、このことを実感された方が、けっこうおられるのではないでしょうか。
 
おなかの中の赤ちゃんの写真(エコー写真)は、感熱紙で出来ているので、これも早く画像が消えてしまいます。エコー写真は写真屋さんに持って行くと、普通の写真に仕上げてくれます。又は、お手持ちのスキャナーで画像をパソコンに取り込みプリントして下さい。

写真の退色、変色のおもな原因は
 写真の退色、変色のおもな原因は、人間にとって必要な、光りと空気に含まれています。太陽光の中には皆さんがよくご存知の紫外線があり、お肌に大敵な紫外線には殺菌効果と漂白効果があります。この漂白効果が写真の色素を分解してしまうのです。家庭の中に普通にあるテレビや蛍光灯などからも紫外線は出ています。
 次に、もう1つの原因である空気ですが、酸素の中に含まれているオゾンに、脱臭効果と漂白効果があります。実は
写真にとって、紫外線よりも、こちらのオゾン(空気)の方が大敵なのです。その理由は、光りに当たっている時間より、空気に触れている時間の方が長いからです。正確に言えば紫外線の方が色素を破壊する力は強いです。また、空気に含まれるもので、写真に悪影響を与えるのはオゾンだけではありません。
 空気には大きな問題がもう1つあります。それは現代の社会問題にもなっている、「近年、○○酸化物による酸性雨で、地球の環境が・・・」で、お分かり頂けると思いますが、空気の汚れの元になる、窒素及び硫黄酸化物です。これらはクルマや工場、そして、火山からも発生するガスで、空気中に溶け込んでいます。また、タンスなどの引き出しの中にも写真に悪影響を与えるガスが発生しています。
 ところで、これらのガスは写真に、どのような影響を与えるモノだと皆さんはお考えでしょうか・・・。古い白黒写真が、セピア色に変色することを前で述べましたが、その理由をここで、もう少し、お話しておきます。白黒写真をプリントする工程で、定着液(酸性の液)に浸けます。その後、必ず水で洗い流しますが、その作業が不十分のときに、特に先で述べた白黒写真で使うバラ板紙の場合、定着液が抜けきらず、そのため写真の紙質は酸性のままで、そのまま保管すると酸性紙は劣化が早く進みセピア色に変色するという訳なのです。水洗が十分であれば、50年ぐらいで変色することはありません。写真屋さんのカラー写真のペーパーは画像を守るために、コーティングがほどこしてあり、さらに、仕上げの段階で薬品によって紙質を中性に調和してあるので、簡単には変色しないようになっています。しかし、空気に長く触れると、空気中の悪いガスは、湿気で写真に吸収され、写真の紙質を酸性に変え、その影響で色素の劣化を早めることになるのです。
 写真を劣化させる物は光や空気だけではありません。他にも、目に見えないホコリ、人の指紋、虫や虫のフンなども同様です。また、酸性の反対のアルカリ性も紙の劣化を早めることになります。

きれいな色の写真をプリントして残すために
 対策をとるその前に、もう1つ絶対にしておかなければいけないことがあります。それは、きれいな色の写真にプリントすことです。ご家庭でプリントする時は特にプリンターの性能をよく確認し、必ずアルバム保存100年以上でするようにして下さい。それが出来ないときは、大切な写真は、写真屋さんでプリントすることを改めて強くおススメします。皆さんは大切な思い出の写真が、10年や20年で、退色するのを許せますか? そうなったら、また、一からプリントのやり直しです。手間も掛かるし、それ以上にデーターやフィルムがきちんと残っているのか心配です。(よい色の写真が出来ません) さらに、お金や時間も浪費することになるでしょう。それなら最初からお気に入りの写真は写真屋さんでプリントした方が安くつくし、手間も掛かりません。お気に入りの大切な写真は、必ず何枚か焼き増しして複製を別々にとっておいておくのも大切なことです。
 写真屋さんで、より良いプリントをして頂くために、皆さんはどのようなことをしますか? まず一番はお店選びでしょう。その後はフイルムから同時にプリントするときは、写真屋さんに任せて、デジカメのメモリーカードやネガなどから焼き増しするときは、プリントアウトするなどして必ず色見本を添えましょう。そのときに受付けで具体的に指示をします。色見本どうりにとか、色見本よりも明るくとか、色見本よりも少し濃いくとか、色見本よりも赤みを取ってとか・・・。ただし次の指示はだめです。“色見本よりも美しく。” この場合、プリントする人が困ってしまいます。次の場合は遠慮なくプリントのやり直しを依頼しましょう。写真のどこかに白いゴミのようなものが写っているとき。色見本の指示どうりでないとき。また同時プリントのときでも、極端に濃いく感じるときや、薄く感じるときには、その写真を添えてプリントのやり直しを依頼して下さい。心配しなくても、ほとんどのお店は、こころよく応じてくれます。そうでないお店は、大切な思い出の写真を信頼して預けることは、避けて下さい。
 先にも述べましたが、写真屋さんの写真の色は、焼き増し時に、特別料金なしで、皆さんの思いどうりの色に、指定することが出来ます。詳しくは、お近くのお店に色見本の写真と、ネガなどのデータを持って行き、お尋ね下さい。サービスサイズのプリント1枚からでも受け付けてくれます。好い色の写真は、とにかく良いお店、良い店員を探すことから始めて下さい。下の写真にマウスを合わせると正しい色に変わります。
濃度(N)− イエロー(Y)−
マゼンタ(M)− シアン(C)−
濃度(N)+ イエロー(Y)+ マゼンタ(M)+ シアン(C)+
(N) +濃いく −薄く (Y) +黄色 −青 (M) +ピンク −緑色 (C) +水色 -赤
 上の写真の “+ −” は写真屋さんでの色補正の方向を指し示しています。普通の人では判断できない微妙な色補正も、プロフェショナルの店員をみつければ簡単にしてくれます。例えば、((Y+)( M−)) とか((M+)(C−)) などです。この色補正の原理は、覚えればパソコンのプリンターで印刷するときにも役にたちます。いずれにせよ、正しい色を見分けて、何色の色が写真にかぶっているのかをまず知ることから始めてください。行きつけの写真屋さんに写真を持って行き、かぶっている色を見てもらうことも出来ます。写真の色がどんな色でもかまわないなどと決して思わないようにして下さい。大切な思い出は最高の色彩で、いつまでも色鮮やかに残して下さい。

写真の正しい保存方法
大切な写真の正しい保存方法と言うことで、お話し致します。先に述べたことに一部、重複しますが大切なことなので、そのことをご理解下さい。
 写真屋さんの写真であろうと、また、ご家庭でプリントした写真であろうと、すべての写真の色は、光りや空気に触れている限り、日々、退色は進んでいます。
しかし、それは目では、なかなか確認することが出来ません。なぜなら、まず皆さんが、お手元にある、その写真の色が、プリントの仕上がったときの鮮やかな色彩の写真の色だと思い込んでいるからです。写真の色は退色しないものだと、思い込んでいる限り、写真の色が変わったとしても、それに気付くことはないのです。しかし、今、このときに気付かれた皆さんは幸いです。そして、今度は気付いた皆さんが、このことをより多くの人達に伝えてあげて下さい。
 写真を保存するための方法は、昔から、アルバム、額縁、写真立て、それに今は新たに、CD−R、ビデオテープ、DVD−R、パソコン、各種メモリーカード類など・・・。思い出を保存する方法は、このように、新しく増え続けています。
 と言うことで、現在、写真の保存方法は次の2つに大きく分けられることに気付かれたことでしょう。一方は直接手に取って見ることの出来るアナログ保存。もう一方は間接的にパソコンなどのモニターを通じてしか見ることの出来ないデジタル保存。
どちらの方法にも、今のところ一長一短があり、それらの問題を解決するために、今後、ますます新しい商品が開発されることでしょう。どの方法で保存してもよいと思いますが、1つの方法だけにとらわれず、お気に入りの写真は複数プリントするなどして、色々な方法で保存して下さい。いずれにせよ楽しく思い出を語るその日まで、写真や映像を美しく残したいものですから・・・。
 ここでは写真を直接手に取って見ることの出来るアナログ保存についてお話し致します。なぜなら、デジタル保存だと、前でも述べたとおり、現時点では長い期間の保存に適さないからです。それにディスク盤を含め機械的に何らかのトラブルが発生すると、画像が二度と取り出せなくなる危険もあります。後になって後悔しないよう、データだけの保存は避け、必ず目で見える写真の保存も同時にして下さい。
 プリントした写真の一番の敵はとにかく空気です。前でも述べましたが、空気の中にはオゾンのように自然界にあるもの。クルマの排気ガスなどの人工的な酸化物。それに湿気や温度、ホコリなど、すべて空気に溶け込んで運ばれて来ます。そして色素の最も強敵である紫外線が加わって、大切な思い出の写真は皆さんの知らないうちに、色素は壊され、紙質は傷つけられ、劣化の道を加速してたどっています。それから守ってくれるのが、アルバムであり、額縁であり、写真立てなのです。
 しかし、残念ながら、それらはどれも万能ではありません。特に湿気に対して注意が必要です。保管中に湿気を含むと写真の表面にシミが出来たり、波をうつなど見栄えが悪くなります。他にもアルバムの写真を保護するフィルムや額のガラスに写真がくつっいて取れなくなります。額縁や写真立ては、直射日光の当たるところは避けて飾りましょう。
 とは言いましたが、写真の色素の色の鮮やかさを保つためには、やはりアルバム保存が一番です。密封常態を作ることにより、写真は空気から守られ、アルバムを閉じれば紫外線にも当たることはありません。写真屋さんでプリントした写真なら写真の紙質を守るためのコーティングがあるので、どこでも売っている普通のアルバム(酸性紙の台紙)でもかまいません・・・。と、言いたいのですが、それでも古くなると写真の端側から茶色く退色、変色が進んで来ます。と言うことで今、おススメなのはインクジェットプリンターで印刷した写真(保存性がないのでおススメできない)にも使えるナカバヤシ(株)の100年台紙アルバムシリーズが、一番ではないでしょうか。
 アルバムは本棚よりも、密封できる押入れ収納ボックスなどのプラスチック容器に入れて保管した方が湿気や害虫、有害なガスからも守られます。

 これだけでは決して安心は出来ません。が、しかし、これらが、今、皆さんに出来る思い出の写真を長く色あせさせずに保存する対策です。この保存方法によって写真の鮮やかな色の色素を200年間(100年以上)退色させずに保つことを目標と出来るのです。
目標を達成させるための必要な条件は、すべてここにそろっています。これらは、決して断言出来ませんが、200年という目標の大きは、思い出の価値の大きさでもあることを皆さんの心に留めておいて下さい。
 そして、何のために写真を保存するのか、その大切な目的を見失わないようにして下さい。写真を色あせさせないためにも、色々な人に見せる楽しさを知ってアルバムを開く機会を増やして行きましょう。この続きは“楽しく美しいアルバムを作る”を見て下さい。

 写真屋さんの写真を直接、素手で触った後は必ず手を洗うようにしましょう。カラー写真の仕上げの最後の薬品には劇薬が含まれています。その薬品が付いたままの常態で、乾燥ドラムの熱と風で写真を乾かしているので、当然、仕上がった写真の表面及び裏面には劇薬が微量でも付着していることになります。

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